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…ぼそっと独り言 42
先日富山に出張に行った帰りのこと。
夕方頃すべての商談が終わり、いつもどおり8号線を帰途についた。 持ち前の貧乏性というか(いい意味で言えば節約家)、私は高速道路をあまり使わない。富山までの往復で約6000円。年間7~8回の富山出張で 45000円近くになる。そう考えるともったいないなぁと思うし、出張の「目的」は「商談」であり、商談に6000円をかけるのなら仕方ないと思うが、高速代はあくまでその商談をするまでの「過程」であり、こんなとこに経費をかける自分が嫌でもある。でもやっぱり貧乏性なんだろうなとちょっと苦笑したりする。

話はそれたが、つまりその帰途のこと。
高岡から金沢に抜ける道沿いに、「ダイソー」という100円ショップがあった。 100円ショップブームの火付け役で、9割を自社オリジナル商品で中国で大量生産してるだけに、「え?これも100円?」とまじで驚く。100円というくくりで大量出店を している100ショップ業界の元気店である。 もう夕方6時を過ぎ、今から帰っても自分の店の閉店に間に合わないので、 このダイソーに見学がてら寄ってみた。

単独路面店にもかかわらず、中には15~6人のお客がいた。
約30分くらい見て回って、次のものを購入した。
・金属用ノコギリ
・金属用ノコギリの換歯
・綿棒 ・貯金箱2つ
・マウスパッド
「お会計のほうは630円になります。」
う~~む。これで630円は安い。そりゃ客が集まるわけだ。 ちょっとうきうきしながら再び帰途についた。

金沢を過ぎ、松任あたりまで来た。ずっと運転しっぱなしなので音楽を聴くのも飽きてきた。

ふと横を見ると、さっき100円ショップで買った綿棒発見! 私は運転しながら左手で綿棒のケースを開け、1本取り出した。

やはりこういうときは耳かきでしょう♪ 運転しながらの携帯電話は罰則ができたが、運転しながらの耳かきを取り締まる法律はない。私は片手にハンドルを持ちながらくるくると綿棒を廻した。いやはや気持ちがいい♪

一通り耳をかき終えた。う~む。ついでに鼻の掃除もしよう。 私はまた新しい綿棒を取り出し、鼻の中を掃除しだした。

鼻の中の掃除はあまり気持ちよくない。はなくそも全然たまってなかった。
「こりゃダメだな。」
と思ったそのとき、道路の段差で車体が上下に揺れた。

ぷすっ

綿棒、鼻の粘膜を直撃!

「あいたっ!」
と思った3秒後、つつーっっと鼻血流出。 綿棒は真っ赤に染まった。

「うきゃ~!」
とりあえず鼻を押さえて上を向こう……と思ったが、運転中。 上を見たら前が見えない。しかも渋滞ののろのろ運転で、一時停車できる路肩もない。

仕方なく私は運転しながら左鼻の穴に左人差し指をできる限り突っ込んで、血が止まるのを待った。



この状態で約5分。しかしどうも鼻血が止まった気配はなかった。 するとタイミングよくコンビニを発見。 私は鼻に指を突っ込んだ状態でコンビニに飛び込み、

「ずいばぜん、ドイレかしてくらはい」

一瞬身構えた店員さんは、ぎょっとしつつトイレを指差した。 私も赤面しつつトイレに駆け込んだ。

-鼻血ストップ-

やっと指を抜くことが出来た私は、ティッシュと弁当を買ってそのコンビニを出た。

心持ち左鼻の穴がでかくなっていた。


~おしまい~




PS:写真は後日取り直したものです。生写真ではないのであしからず。


…ぼそっと独り言 41
昨日、夢を見た。

高校時代の教室。そこでホームルームみたいな話をしている私たち。

そこには高校時代好きだった子もいた。

高校3年の秋、ちょっとだけ付き合ってふられた子。

週に2回、いっしょに帰る約束をしてた。高校から駅まで。
手もつなげなかった。目を合わせて話すことさえ照れた。
高校2年のときから好きだった子。

……

朝起きたとき、まだ覚えていた。
布団の中でまどろみながら、高校時代を懐かしく思い出した。

その子のことを考えるなんて本当に久しぶりだった。
今頃はもう結婚しているかもしれない。

若かった。未熟だった。でも純粋だった。ふられて落ち込んだ。
別れる前にどうしても会って話がしたくて電話したが会ってもらえなかった。
いてもたってもいられなくて原付で彼女の家の近くのパン屋で
物思いにふけった。何かの偶然で彼女がこの店に来ることを
願った。5時間ずっと待っていた。でもそんな奇跡なんて起こらなかった。

そのまま友達の家に向かった。ふられたことを報告。
友達は朝までヤケ酒に付き合ってくれた。

それでも朝、うちに帰り、そのまま寝ずに学校に行った。
彼女とは同じクラスだった。
「おはよう」
それが彼女と交わした高校時代最後の言葉だった。

布団の中でまどろみながらそんなことを思い出していた。
そういえばふられたのは高校3年の12月。ちょうど10年前だ。

そのまま朝を迎えた。懐かしくてほろ苦い高校時代の夢とともに
迎えた朝であったが、なぜかすがすがしかった。


~おしまい~