2017年6月11日~14日の4日間、アジアビジネス研修と商談の為に、大学時代の先輩とシンガポールに行ってきました。
シンガポールへは20年前にバックパッカーとして訪問しています。その時も「発展してるなぁ」と感じたんですが、今回はさらに発展していて、さすが、香港と並ぶアジア経済の中心都市だと感心しました。
備忘録として、今回のシンガポール視察をまとめておきます。
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「株式会社シンガポール」
シンガポールは「株式会社シンガポール」と呼ばれるくらい、国を挙げて、経済発展に注力している。特に「金融」に関してはアジアの中心を香港と競いあっている。
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「法人税、所得税が先進国の中で安い」
法人税も所得税も、法人税の最高税率が17%、所得税の最高税率が22%。累進課税なので、法人税も所得税も実効税率は10%程度とのこと。その為、海外企業がアジアに拠点を置く時にシンガポールを選びやすい。
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「学歴トップが公務員」
シンガポールは学歴トップが公務員になる。もっとも頭の良い人間が国を運営する合理的な仕組みで、トップの年収で1億円くらいある。また、モラルが高いため、賄賂や忖度などの汚職がない。検索したら、下記のブログに詳しく書いてありました。興味のある方はご覧ください。
シンガポールの官僚制度について
https://sites.google.com/site/sugimotweb123new/zakki-chou-01/9shingaporuno-guan-liao-zhi-dunitsuite
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「ハイレベルな教育事情」
「世界大学ランキング」によると、「シンガポール国立大学(NUS)」(26位)が「東京大学」(43位)を抜いて、アジアのトップに躍り出たとのこと。子ども達の教育水準も高く、15歳児を対象にした国際学力テストでも、アジアでは日本を抜いてトップレベルとのこと。国家の歳出で教育費に15%かけていることからも「人作り」こそ、この小さな国の繁栄の礎と考えている。
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「兵役が2年あり」
18歳男子は基本的に2年間徴兵され、 訓練を受けたり任務を受けたりする。小さな国だが、侵略に対する国防意識が強い。
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「金融市場を意識して香港と同じ時間にしている」
シンガポールは香港とアジアの金融市場を競っていて、その香港と時差があると競争上不利と考え、経度的に1時間近く違うにもかかわらず、香港と時間を同じにしている。その為、シンガポールの日の出は朝7時くらいと遅い。これが一番衝撃的でした。学歴トップの官僚達は、国益の為にここまでやるんですね。
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感想として、1963年にマレーシアから独立して半世紀で、よくぞここまで建国し、アジア金融の中心という地位を確立し、素晴らしいなと思いました。
地理的には海運の要衝地だと思いますが、小さな国が生き残るために「金融でアジアで1番」を目指し、ランチェスター経営戦略で言う「弱者の戦略」を徹底した感があります。特定の分野で1位になれば、国も会社も繁栄する、とてもいいお手本を見ることができました。
余談ですが、中国の発展で「金融」は香港と競い合っている中、香港との次の争点を「観光」に移している感があります。「マリーナベイサンズ」はシンガポール観光のランドマークになっています。昨年、香港に行きましたが、シンガポールのほうが「街も空気もきれい」だし「人が少ない(混まない)」し「治安がいい」んですね。こういうところを見ると、世界のお金持ちはシンガポールを拠点にしたいと考えるのではないかと。
客層を「世界のお金持ち」に設定し、「金融で1番になる」為に「観光を整える」戦略をとっていると感じました。
3泊4日の短い視察でしたが、同行した大学の先輩からも経営に関して多数の情報とアドバイスをいただき、非常に有意義な時間でした。